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この本の作者東畑開人先生と鏡リュウジ先生が対談を行っているのをみて興味をもった一冊です。
対談記事はこちら→「臨床心理士 東畑開人さんと「野の医者」を語ります」
本のあらすじ
怪しいヒーラーの世界に触れた若き臨床心理士は、「心の治療とは何か」を問うために、彼らの話を聴き、実際に治療を受けて回る。
次から次へと現れる不思議な治療! そしてなんと自身の人生も苦境に陥る。
それでも好奇心は怪しい世界の深奥へと著者を誘っていく。
(Amazonから抜粋)
この本の題名にある「野の医者」というのは、占い師・スピリチュアル・ヒーラー・ユタなどを表します。
それらの「野の医者」に臨床心理士が実際に施術をしてもらい、また生徒となってスクールにも通い、体当たりノンフィクションです。
本の感想
そもそもなぜそんな体当たり取材を行うことになったのか?
それは、ある患者さんが野の医者の治療を受けた途端に治ってしまい、そこから「心の治療とは何か?」に疑問をもったことが始まりだったみたいです。
その疑問をもつだけなら、カウンセラーと呼ばれる職業の人なら、一度や二度考えることで決して珍しくないのではと思います。
でも、その疑問を解くために、体当たりであらゆる野の医者を体験するのは、なかなかできることではありません。
というのも、ただのセラピストに突撃したのではなく、占い師の僕から見ても「怪しい」と感じるセラピストにも突撃しているからです。
むしろ、怪しさ満載のセラピストを好んでいるようにさえ見えたぐらいです。
また、普通ならいぶかしげな目を向けて辛口な分析になるか、感情を排除した客観的な分析になりがちではりますが、この作者はその怪しい世界観を楽しみ、自分がのめり込んでいく姿も赤裸々に書き連ねていました。
野の医者の独特な世界観がもつ、「魔の力」はやはりどこか魅惑的なものがあるのかもしれない、そんな風にさえ感じられました。
社会が見向きもせずに、「怪しい」という言葉だけでふたをしている世界。
それ必要している人が世の中にはいて、それに救われている人がいることは事実です。
この本には、その謎を解き明かしてくれるヒントが隠されているように思います。
最後に本の中の一文を紹介します。
何より大事なことは、現代の日本社会では多様な生き方が許され、実際に共存していることだ
・・・中略・・・
私たちはそういう時代を生きている。
だからこそ、私たちの社会は多様な心の治療を抱えて歩んでいる。
つまり、様々な生き方があり、様々な健康があり、そのための様々な心の治療があるのだ。
’(引用:「野の医者は笑う心の治療とは何か?」)
様々な野の医者がいることは、必然であり必要なことなのかもしれません。
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精神科医が占い師に通う本もあります。
こちらは、体験記というよりは作者の自問自答がメインになっています。
同じく超能力等の超常現象を取材した森達也の「オカルト」も傑作です!
こちらも必見です。