いくつかの占い学校で手相の授業を行っているのもあってか、よく「おすすめの手相占いの本はありますか?」と聞かれます。
そこで今回は、個人的に勉強になった手相の本を紹介します。
紹介するにあたって、みなさんにも読んでもらえるよう、中古本であってもまだ絶版になっていない現在でも発売中の本限定にさせていただきました。
また、発売されている全ての手相の本を読んだわけではありませんので、見逃しているお宝手相本もあるかもしれません。その点はご了承ください。
※今後も随時更新していきます
それぞれの本にどのような人が向いているか、3段階でレベルをつけてみました。
レベル1:手相の見方はよくわからない、初心者向け
レベル2:手相を遊びで時々見ている、中級者向け
レベル3:手相をお金をもらって見ている、プロ向け
手相術の教科書/フランク・C・クリフォード、監修:鏡リュウジ(レベル2&3)
イギリスの占星術師で手相家でもあるフランク・C・クリフォードの本を、鏡リュウジ先生が監修しました。
手相占いで翻訳本が発売されるのはとても珍しく、それだけでもとても希少な本といえます。
実は僕もこの本に少しだけ関わらせていただいてます(最後に名前も載せてくれました)。
鏡リュウジ先生とは、何度かお会いして懇意にさせていただいているのもあって、手相の記述の確認など、事前にチェックさせていただくことになりました。
その時に読んで、とてつもなく素晴らしい本だったので、みなさんにもおすすめします。
手相術の教科書という題名通り、手相の初歩的な開き具合や大きさや形などから始まり、手相の主要線はもちろん、終盤にはあまり見かけない細かい線から指紋まで言及しています。
これ一冊で手相の全てがわかるといっても過言ではないぐらい、手相の知識が網羅されています。
ただし、読む人の手相占いのレベルによっては、わからない箇所もあるので、そこで立ち止まらず最後まで読んでみて下さい。
また経験を重ねてから読み返してみると、わからなかった箇所も理解できるようになり、手相術のレベルアップに役立つ本になってくれるはずです。
つまり、レベルに合わせて何度も読み返せる手相のバイブル本になり得る一冊です。
西洋手相術の世界 /伊泉龍一(レベル3)
伊泉龍一先生の『西洋手相術の世界―『手』に宿された星々の言葉』
この本は一般的な手相の本によくある知能線を見て「どの仕事が向いている」や結婚線を見て「いつ結婚できる」などを見るには、物足りないかもしれません。
しかし、西洋手相術の歴史を知りたいと思う人にはこれ以上の良書を僕は知りません。
本来手相の歴史を勉強しようと思った場合、英語を翻訳しながら様々な西洋の昔の文献をあたり検証を行う必要があります。
想像しただけで大変なその作業をこの一冊が全てカバーしてくれています。
どのような経緯で西洋手相が生まれ発展してきたのかについて徹底的に調べられていて、さらには手相界で流布している不確かな通説についても検証を行っています。
例えば、アリストテレスは手相術に精通していたと言われるているのですが、それについての検証も行われ、かなり踏み込んで詳しく書いています。
これだけでも手相を勉強してきた人にとっては、真実に迫る謎解きみたいで面白いはずです。
手相をアカデミックな見地から本格的に勉強したいと思っている人にはおすすめの一冊です。プロの手相家なら必読!
テソーミ入門/日笠雅水(レベル1)
ほぼ日でも有名な日笠雅水先生の『テソーミ入門 誰でもできる手相観ガイド』
この本は手相を勉強しながら気持ちを上げることができます。
手相の線の意味を表現する時にどのような言葉を使うかは、その先生によって大きく違います。
それが、それぞれ手相家の個性となって人気にも繋がっていくのですが、この本は悪い線の中にも希望を感じられる表現が多く、本を読んでいるだけで日笠先生の人柄見えてきます。
「手相ってどういものなかのかな」と興味レベルで最初に手を取る本としては理想的な一冊です。
手相の魅力を感じてくれるはずですし、それでいて手相の知識も幅広く網羅されているので満足感も十分に得られます。
また、この手相の本で個人的に最も興味をもったのは、実際の猿の手相を占っているところです。
猿の手相について書かれている文献はあるのですが、猿の手相を占って解説している本は初めてみました。それを読むだけでも買う価値ありです。
また、双子(おすぎとピーコ)の手相を占い、その違いについても鑑定を通して対話形式で詳しく書いてあります。こちらも必見です。
すぐに役立つ銭流なるほど手相術/銭天牛(レベル2&3)
もし「手相占いの本で一番ユニークな本を教えて」と聞かれれば、間違いなく銭天牛先生の『すぐに役立つ銭流なるほど手相術』をおすすめします。
この本は、手相本の中ではかなり個性的で斬新です。
手相の線の意味についての記述の中でも、バーで出会った女性とのやり取りなど体験談を交えて面白おかしく説明がなされていて、読み物としても楽しめます。
また、恋愛関連も他の手相本にはあまり見られないセックス運の見方についても言及しています。
ここでは書けないぐらい具体的に書かれていて、その当時はかなり驚きました。性についての手相術ならこの本がNo1です。
ただ斬新で異色の手相本なのかと思われがちですが、他では見られない指で流年を見ていく技法についての記述もあります。スルーされがちな技法なのですが、かなり重要です。
この技法を初めて聞いたという方は、ぜひ読むことをおすすめします。実は中身はかなりしっかりしている手相本です。
この本の手相知識の幅広さと奥深さ(下世話なことから高尚なことまで)は、一見の価値ありです。
手相診断/浅野八郎(レベル1&2)
日本占術協会会長でもある浅野八郎先生の『手相診断―吉凶サインは手から読みとれ!』
この本は浅野先生が書いているからきっと難しいのだろうと思っている人も多いかもしれません。
でも実際は、かなり読みやすく手相初心者の方でも十分に楽しめる一冊です。
特に本の後半に用意されている頭脳線、感情線、生命線の3つの線から判断する手相分類表はとてもわかりやすく、他の手相本では手相の見方がわからないと嘆いている人でも、安易に判断ができるよう丁寧に説明がなされています。
さらに、「恋愛」「仕事」「財」「健康」のカテゴリーにおいてそれぞれタイプ別に説明があり、読者に手相を楽しんでもらえるような工夫がなされています。
※例、一目惚れタイプ・奔放な愛に生きるタイプ・異性にモテモテのタイプなど。
この本を読めば、わざわざ手相鑑定を受けに行かなくてもいいレベルの情報がたくさん書いてあります。もし悩みがある人は、まずこの本を読んでみると良いかもしれません。
プロの手相家でも、これらの手相分類表やカテゴリー別タイプ診断はかなり参考になります。
特に手相を教えている人やコンテンツ作りを行っている人には、良い刺激を与えてくれるはずです。
また、マスカケ線の世界的傾向や出現率や遺伝についての記述もあり、さすが手相の大家と思わせる内容になっている優れた一冊です。
運勢は両手でみなければわからない/石本有孚(レベル2)
石本有孚先生の『運勢は両手でみなければわからない』
この本は手相の線の意味などはそれほど目新しいものはないのですが、他の占い本と違うのは両手の味方について詳しく書いてあるところです。
一般的な手相本は右手と左手の違いについての説明はありますが、具体的に右手の知能線が〇〇で左手の知能線が〇〇の場合など、各線のケースごとの説明はありません。
それも、ただ線の右手と左手の合わさった意味を説明しているのではなく、どのような遺伝現象が起きるかについても説明しているのです。これはかなり珍しいです。
例えば、右手の知能線は直線・左手の知能線は湾曲、というケースの説明では、母親の遺伝が強く父親の運命が弱い。母親の性格が強く・・・
このような説明は、一般の手相本ではまず見ることができません。
手相を研究している人やプロの手相家にはおすすめの一冊です。
余談ですが石本有孚先生は大正生まれで様々な占いの経験と研究を重ね、たくさんのお弟子さんが今でも活躍しております。また、人相の本もかなり素晴らしく相術の大家の一人です。
流年手相術/西谷泰人(レベル2&3)
西谷泰人先生の『流年手相術―手相の線で、いつ何が起こるかが分かる』
この本は手相技法の頂点にもあたる流年法(結婚年齢など具体的な年齢を見ていく技法)の最高傑作といえる一冊です。
西谷先生=流年法と呼ばれるぐらい、流年法に関して右に出る者はいなく、西谷流と呼ばれる流年法で手相界に旋風を巻き起こしました。
この本でも余すことなく流年法の見方について書いてあります。
この本を読んだだけでも流年法を見られるようになった人がいるのでは?と思うほどの素晴らしい内容です。王道の生命線や運命線の流年法の見方も素晴らしいのですが、面白いのは感情線や知能線の流年法です。
僕は西谷先生の本で初めて知能線や感情線の流年法の見方を知りました。
流年法で行き詰っている人や流年法とは何かを知りたい人は、まずはこの本を読んでみてください。この一冊で流年法のコツを十分つかめるはずです。
流年法に興味がある人におすすめの一冊です。
江戸JAPAN極秘手相術/波木星龍(レベル2&3)
波木星龍先生の『江戸JAPAN極秘手相術―超入門から極秘伝まで一挙公開』
この本は、今発売されている手相本の中で唯一東洋手相術について詳しく書かれている本です。
現在ある手相術は、ほぼ全てが西洋手相術がベースになっています。
そのため、手相の書籍も一部分だけ東洋手相術について触れているものはあるものの、多くのページを割いて東洋手相術について書いているものはありません。
その中で波木先生のこの本は比較するために西洋手相術のことは書いてありますが、線の説明などは全て東洋手相術の考え方を採用しています。
ここまで東洋手相術について詳しく書いてある本は、絶版になった昔の文献をあたってもなかなか見当たりません。
これだけの知識を詰め込んだ一冊を作るには、かなりの文献を集め研究を重ねたことは容易に想像がつきます。
内容はわかりやすく書かれていますが、一般書というより手相の研究書と呼ぶにふさわしい本です。仮に1万円でも買いますね。
西洋と東洋の違いを見比べて、さらに手相の奥深さを知りたい人におすすめの一冊です。
キロ 手相の書/ゆきまる(レベル2&3)
ゆきまる先生の『キロ 手相の書』
この本は、現代手相の祖キロの本を和訳した貴重な本です。
現代の手相は19世紀のイギリスの手相家キロによって作られたといっても過言ではなく、今も多くの手相術がキロの残した手相の見方の影響を受けています。
キロの本は今までも何度も和訳されてきましたが、全て絶版となってしまい手に入れるには古本屋を巡って少々高値で買うしか方法がありません。
その状況の中でゆきまる先生が21世紀の現代に再びキロの本を蘇らせてくれました。
どうしても古い本は読みにくいという印象をもたれがちですが、現代の手相の解釈を取り入れつつ、丁寧に注釈でも現在との違いの説明を加えてくれています。
本来専門書レベルの手相本ですが、プロの手相家以外でも十分に楽しめる内容になっています。
キロの本には現代手相の基本となる考え方が書かれているので、ぜひ手相と関わった人や手相に興味がある人は一度は目を通しておくべき一冊です。
絶対当たる!手相占い/伊藤瑛輔(レベル1)
伊藤瑛輔先生の『絶対当たる! 手相占い』
この本は、手相入門書として手相初心者が最初に買うのにおすすめの一冊です。
この本は手の形から手相の基本線、補助線まで、手相を勉強する上で欠かせない項目が全て網羅されています。
どうしても他の手相の本は際立たせるのもあってか、ある項目に特化していたり、珍しい技法が書かれていたり、手相を学ぶ上ではどこかしらが欠ける本がほとんです。
しかし、伊藤先生の本はまるでこのまま手相の教科書になるかのような構成になっていて、この本を丸々一冊しっかり勉強すれば、十分に手相家として通用するぐらいの内容がぎっしり詰まっています。
この本を手相の基本の一冊と考えまずは熟読し、その上で他の本を応用編として読んでいけば、手相の知識や技術は深まり手相の勉強法としては理想的です。
手相占いであなたの幸せ引き寄せます!/卯野たまご(レベル1)
卯野たまご先生の『手相占いであなたの幸せ引き寄せます!』
この本は、占い娯楽本というジャンルに入れたくなる本です。
手相と関係なく読んでいてとても楽しい本です。
中身は卯野先生の手相観になるまでのヒストリーが漫画で描かれていて、手相に興味がない人でもスラスラと読み進めることができます。
意外と手相観になる方法や手相を始めるきっかけについて書いている人は少なく、一般読者の中には興味がある人もいるはずです。
また、卯野先生の場合は普通の手相家になる方法とは違い異色の道を進んでいるので、体験だけで一冊の本になってしまうのは納得です。
本の中ではところどころ手相の線の見方についても言及されていますが、それはおまけみたいなもので、やっぱりメインは卯野先生の体験と描き方の面白さに尽きる本です。
手相の世界を知りたい、手相家になるきっかけに興味ある、ノンフィクション好きになどはおすすめしたい一冊です。
手相の秘密/門脇尚平(レベル1&2&3)
門脇尚平先生の『手相の秘密―あなたの未来を開く』
この本は、今回紹介する本の中で唯一読んだことがありません。
それなのに紹介する理由は、僕が門脇尚平先生の本で手相を学んだからどうしても紹介したかったのです。
この本だけは、完全に個人的な思い入れがくる私情たっぷりで紹介させてもらいます。
本当は読んだ本を紹介したかったのですが、もう絶版になってしまっていて門脇先生で唯一発売されていたのがこちらの本だけでした。
門脇先生は数多くの手相の本を残していて、プロの手相家なら知らない人はいない昭和手相界の大御所中の大御所です。
すごいのは田中角栄や佐藤栄作など歴史に残る社会的に活躍した著名な人を占い、それが書籍として販売されているところです。今の時代では手相占い師がそのような人たちを占うことは考えられません。
手相の本もとても優れたものが多く、病気についてだけ書かれた希少価値の高いある本は、とても内容が濃くここまで病気について詳しく書いてある本を他に見たことがありません。
手相の知識も技量も極めていたと言われている門脇先生の手相本を絶版になる前にぜひ味わってみて下さい。
手相の事典/沢井民三(レベル2&3)
沢井民三先生の「手相の事典」は、本の題名の通りまさに「事典」となり得る一冊です。
紹介している項目(形・指・爪・線)だけで考えれば、手相の本の中でも最も多いのではないでしょうか。
全33章の項目に分かれ、手相の一般的な知識は全て網羅されていて、この一冊があれば一通りのことは学べます。
さらに、この本がすごいのは、他の本ではあまり見かけることがない出産運を見る生殖腺についても解説しています。
それ以外にも、土星環や災害線など、あまり聞き慣れない珍しい線がいくつも載っています。
けれども、決してマニアックな方向に走ることなく、基本四大線の知能線や感情線なども多数の画像と共に、解説してくれているバランスの良さをもった本です。
初心者の方でも十分楽しめるとは思いますが、手相の知識がかなり凝縮されているため、手相本を読んだことのない人には、せっかくの価値ある内容ももてあましてしまい、読み疲れする恐れがあります。
他の本を読んだ後か、または手相を勉強した後に読めば、この本の価値がわかり面白さを実感できるはずです。
手相気血色鑑定秘伝/木村伯龍(レベル3)
木村伯龍先生の「手相気血色鑑定秘伝」は、手相界を震撼させるぐらいの衝撃的な一冊です。
手相の本の多くは、線の解説を中心に構成されていて、それ以外に形や指や爪などに言及するのが一般的です。
しかし、この本は線のことには一切触れていません。
あるのは気血色と呼ばれる「色」と人相でよく使われる「画相」という技法のみです。
人相の本では、気血色も画相も解説してくれている本はいくつかあります。
しかし、手相での気血色を解説しているのは、手相の大家中村文聡先生の「手相現象秘録」でしか僕は見かけたことがありません。
画相にいたっては、手相本では全く見かけたことがなく、この本が手相の歴史上初の画相の本ではないでしょうか。
では、気血色や画相がわかると何がわかるのか?
この本の中に、例題の鑑定結果があるので、かいつまんで抜粋させていただきます。
・結婚が決まりその準備をしている
・新婚旅行はハワイ
・新居も決まり引っ越しをする
・上司との関係がうまくいかないので、転職を考えている
・妹も結婚が決まった
これらのことが気血色と画相を使って読み解くことができます。
もちろん、ここまでの回答を出すには、熟練の技とたくさんの鑑定経験が必要なのはいうまでもありません。
気血色や画相は、この本を読んですぐに体得できるほどたやすくはありません。
けれども、気血色や画相の入り口としてこの本を読んでおくのは良いでしょう。
他の手相本に類を見ることない価値ある一冊です。
占い初心者の方へのおすすめ本と算命学のおすすめ本の紹介記事もありますので、こちらも参考にしてください。